未だに暗躍するICO

旧正月が終わり、日本に限らず、株式並びに金融市場は下落方向に変動し始めている。このような環境の中でも、喫茶店や高級レストランの個室のみならず、ホテルのレセプションやセミナールームで、よくICO(イニシャル・コイン・オファリング)のことを耳にし目にする。また、オンラインでも、売切とか秒速で販売終了という文字が躍り出ている。

昨年、中国ではICOは全面的に禁止された。ICOとは、トークン/コイン(以下、トークンとする)を作成するだけに留まらず、オファーすなわちそれを「買いませんか?」とする行為と定義している。この「買いませんか?」という行為は、中国では、「集団投資」と分類されたようで、法整備が整うまで全面停止としたのだ。

一方、米国やスイスでは、この行為をいくつかに分類し、有価証券に類似するものに関しては、有価証券同等の規制を受ける。日本では、発行体が存在する場合、その発行体に資金移動業の資格を義務付けたり、株式同様、仮想通貨取引所を事業者として介在させたりする方向で、法規制の主軸が向いているようだ。

そうなってくると、小生が街中で聞いているのは、何なのだろう。よくよく聞いてみると、法規制ができる前に駆け込みでやった方がいいとか、そのあとが難しくなるからというものであったりする。

しかし、一般に考えていただきたいのは、法規制が厳しくなる前に急遽取り入れたものが、のちに厳格な法規制になった時に、法規制の対象となるであろう日本の仮想通貨取引所で採用される可能性は極めて薄いということではなかろうか?実際に、本年、彼らが発行体のトークンの新規取扱はしていない。

この場合、駆け込みで資金調達を行なった発行体のみが、少なくとも経済的には恩恵を受けるが、その発行体のトークンは、日本の仮想通貨取引所では簡単に売買できない。確かに、将来、海外の仮想通貨取引所で売買できるかもしれないが、送金やら税金やらの各種手間は投資家負担だ。

このようにトークンを購入する側と売却する側で著しい不公平が存在し、なおかつそれが十分に価格に織り込まれているとは到底思えないものが多い。営業口上には、海外市場でリスト(上場)すると5倍くらいにはなるから、今、買わない手はないという扇動的な文句もよく聞こえる。

なぜその話が自分に来ているのかを良く考えて欲しい。

なぜその話が自分よりももっと資金を有しているはずの年金基金や生命保険会社などの機関投資家では無いか?

どうせ資金を集めるのであれば、より多くの資金を持っている連中から調達した方がはるかに効率的であるにも関わらず、セミナーを開き、豪奢なホワイトペーパーをばら撒き、著名人や肩書きのある人たちを携えているのか?

「コインが値上がりしますよ」以外に、トークンの本源的価値観に関して説明はあったのだろうか?

その本源的価値において、定評のみならず責任を取れる第三者の独立した意見は存在していたのであろうか?

そもそもトークンを購入する必要が、値上がり期待以外に存在するのか、ぜひ決済する前に少なくとも三回は考えて欲しい。
何よりも、あなたが購入しようとしているものが、将来手軽に売買できる日本の仮想通貨取引所で取り扱われない可能性があるのだから・・・

  • 最終更新:2018-04-10 11:24:38

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